1985年
豊田商事会長刺殺事件

豊田商事は、独居老人などにうまく取り行って、金の地金(要するに金の延べ板)の購入契約を交わします。しかし地金は、豊田商事が預かっておく、として、代わりに証券を発行します。つまり購入者には証券の紙だけ。購入者が不安に思って金の引渡しや、解約返金を求めても応じず、消費者センターに苦情が殺到するようになりました。豊田商事側では利益の半分を給与に、残りを会長の永野一男の借金返済などに使われてしまい、購入者は大損しました。被害総額は2000億円とも言われます。
その永野会長が逮捕される、という情報が流れ、自宅マンションにマスコミが殺到します。と、そこへ、被害者の関係者を名乗る二人の自称右翼の男が現れ、永野を出せと騒ぎます。そして二人はマスコミの見ている前で、窓を壊して侵入。永野会長を軍刀で惨殺し、返り血を浴びた姿で「警察を呼べ。オレが犯人や」とマスコミに向かって言いました。殺害の場面はないものの、犯人の犯行の様子や、会長の遺体などがテレビや雑誌で報道されたため、何もしなかったマスコミに対する批判もあって、大騒ぎになりました。一方で事件を起こした二人の男に対する同情的な意見も多く、それは豊田商事事件があまりにも巨大で悲惨だったからとも言えます。
豊田商事事件をうけて、クーリングオフ制度が導入されることになりました。

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