1986年
ニオス湖の爆発

この湖は、アフリカ中西部の国、カメルーンの北西にある火山オク山の山頂にあります。いわゆる火口湖。面積1.58平方kmで最大深度は208mもあるかなり大きな湖です。この湖の最大の特徴は、火口の直下にあるマグマだまりから、常に大量の二酸化炭素が供給され続けて飽和状態にあるということ。いわば二酸化炭素湖ともいうべきもので、世界的にも3例しかありません。
1986年8月21日、このニオス湖で突然、湖水爆発。何かしらの原因(噴火、土砂崩れなどの説がある)により、飽和状態の二酸化炭素が推定160万tも湖から吹き出したわけです。二酸化炭素は重いため、2本の谷沿いに山麓へと流れて行きました。20km圏内にいた住民1746人と家畜3500頭が二酸化炭素中毒もしくは窒息により死亡。大勢の負傷者(呼吸障害など)を出しました。
現在、ガス抜きのためのパイプライン1本が稼働中ですが、この大きな火口湖は、決壊するおそれも高く、そうなると隣国ナイジェリアにまで洪水が押し寄せると言われています。しかしガス抜き同様、決壊防止の対策費用も資金が不足しており、危機は回避していません。

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