1969年
原子力船むつが進水

日本初、そして現在までのところ日本唯一の原子力船むつが進水しました。
むつは原子力事故を起こしたことで有名な船です。反核運動では必ず出てくる船でしょう。
加圧水型原子炉を搭載し、出力は36000kw。
1974年8月28日 原子炉が初臨界に達しますが、9月1日、試験初航海中に遮蔽できなかった中性子線の漏洩を観測。一般的には放射能漏れ事故、とされる出来事です。航海は中止になりました。しかしこのことが判明すると、母港のあるむつ市で帰港を拒否する運動が広がり、むつは「漂流」するはめになります。1ヶ月の混乱の末、ようやく帰港。その後、佐世保での修理や、新母港をめぐってなんども大騒ぎになり、使われることもなく15年以上も経ちます。
1990年、再び原子炉を起動。7月から原子炉運転、1991年2月から実験航海を行い、8万2千km(地球2周以上)を原子力動力で航行しました。このことはほとんど報道されませんでしたが、世界中で軍艦を除く原子力船でここまで実績を作った船は、むつだけです。無条件に批判されるため、成果も評価されずに終わりました。
その後、原子炉を取り除き、廃船となりました。船体は改装され、海洋地球研究船「みらい」になっています。

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