1947年
カスリーン台風襲来

終戦直後の混乱期に大被害をもたらした台風です。マリアナ諸島付近で発生したとみられる台風で、関東の南岸をかすめて東北へと抜けて行きました。直接上陸したわけではなく、もっとも強い時で960ヘクトパスカルと、比較的弱い勢力の台風でした。
しかし南から湿った風が関東平野に吹きこみ、大豪雨をもたらし、大増水した利根川と荒川の堤防が各地で決壊して広大な地域にわたって水没する大水害となりました。死者1077名、行方不明者853名、負傷者1547名。住家損壊9298棟、浸水384743棟の甚大な被害を出しました。東京の葛飾区は大きな被害を出し、これはその後の治水対策に大きな影響を与えました。
戦災と戦時下の山林荒廃が水害と人的被害を大きくしたと言われます。
実は治水対策が進んだ現在でも、このクラスの大水害は懸念されており、また当時はなかった地下鉄網が、水路と化して、東京の中心部、大手町付近まで浸水すると考えられています。2011年9月3日に四国に上陸した台風12号のように勢力は弱いが豪雨をもたらし大きな被害を出す台風はしばしばあり、震災で弱体化した堤防が決壊する可能性もあることから、注意が必要です。

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