空飛ぶスパゲッティモンスター教

「空飛ぶスパゲッティ・モンスター教」は一種の風刺運動として作られたパロディ宗教。ヌードル触手を生やし目玉の飛び出た<空飛ぶスパゲッティ・モンスター>が人類を創生した神であるとしている。
きっかけは、アメリカのカンザス州で教育委員会が「進化論」を教育に取り入れるなら「インテリジェント・デザイン」も同様に教えなければならないという決議をすることになったこと。
インテリジェント・デザイン(ID)というのは、科学の発展によって矛盾だらけになってしまった旧約聖書の内容をある程度「科学的」に是正し宗教色を弱めることで人々に受け入れられるようにした思想。神がこの世を創生し、神の手によって生まれたアダムとイブの子孫が人類であるといった従来の聖書の記述を元に、宇宙の存在や生物の進化が人類に至るという科学的な内容はある程度受け入れ、それらの事象は「「知性ある何か」によって設計されたものである」という風に解釈したもの。要するに自然科学的現象の背景には神がいることにしたもので、教義を変更するのに受け入れられやすいことから、既成宗教の枠を超えて広がりつつある(但しカトリック教会などはIDを批判している)。これを「教育の平等」という建前で教えようという動きが広がっている。
これに危機感をもった学生らが考えたのが「空飛ぶスパゲッティ・モンスター教」。彼らは、あえてふざけた神様を設定して、「進化論以外の説も平等に教えるのであれば、当然空飛ぶスパゲッティ・モンスターも教えないとだめだよね」とし「ID信奉者は進化は<知性ある何か>によって設計された」と言っている。「つまりそれって空飛ぶスパゲッティ・モンスターのことだよね」と皮肉った。
この運動はサブカル分野で広がり、運動のもって行き方の面白さを評価する意見がある一方、神を冒涜しているという批判もある。

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