6550万年前頃
小惑星が地球に衝突

白亜紀の末期、現在のメキシコ湾ユカタン半島付近に、直径10~15kmクラスの小惑星が衝突しました。衝突時の速度は秒速20km。衝突時のエネルギーは広島型原子爆弾の10億個分。衝突地点で発生したと考えられる地震の規模はマグニチュード11以上で、高さ約300メートルものメガ津波が発生しました。
この衝突が注目されたのは、恐竜の絶滅の原因候補に上がったことです。
地表にはほとんどないのに、地球規模でイリジウムが大量に見つかった地層「K-Pg境界層」の発見と、その前後で恐竜の化石の出土が劇的に違うことから、この年代で何かが起こり、それが恐竜の絶滅につながったと考えられるようになります。
これについては、火山の大規模噴火説も有力でした。実際この時代、今のインドデカン高原で大規模な噴火があったと言われています。
隕石衝突説も言われていましたが、場所がわかりません。カリブ海各地で大津波によって運ばれたらしい岩石が見つかったことや、イリジウムの層の厚さが北中米ほど厚いことから、この地域の何処かではないかと考えられるようになり、場所探しが行われますが、見つかりませんでした。
ところが、それより少し前に、油田探査の過程で行われた磁気調査の結果内容に、ユカタン半島の地下に巨大なクレーター(推定直径180~200km)が埋没していることがわかり、その後の調査で小惑星衝突の痕跡だと判明しました。
衝突により、高温の衝撃波と爆風、大津波、それに膨大な量の物質が空中に撒き散らされ、それが太陽光を遮り、急激に気温が低下したことで、恐竜など70%の生物の大絶滅につながったと言われています。飛び散った大量の破片による二次災害、全地球規模の火災や、酸性雨が大量に降り注いだという説もあります。
なお、近年一部の研究者によってインドのムンバイ西方の海底に巨大なクレーターがあるという説も出ており、ほぼ同じ時期に小惑星が衝突して、大量絶滅につながったとする説もあります。さらに地球各地に複数の隕石が落ちたという説もあります。
この直後の時代の胞子の化石から、植生の殆どがシダ植物だった期間があることも判明しています。シダ植物は比較的荒れた大地でも育つことから、隕石衝突に伴う環境激変で、裸子植物や被子植物の群生地が消滅し、荒廃した大地に蘚苔類やシダ植物が広がっていったという見方もできます。
一方で、これほどの大異変にもかかわらず、一部の哺乳類や小型の両生類や爬虫類が生き延びたほか、海中でも首長竜やアンモナイトは滅んだのに、魚類はあまり影響を受けていません。翼竜は滅びましたが、恐竜から分化した真鳥類は絶滅を生き残り、その後大繁栄しました。
このように同じ環境で滅びた種と、残った種がある理由はまだはっきりしていません。
巨大隕石は大絶滅を引き起こす一方で、新たな生態系を生み出します。現在の地球の生物相は、このときの環境激変の結果でもあるわけです。

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