1950年
文化財保護法施行

1949年1月26日、法隆寺金堂の火災により、古代仏教美術の傑作だった法隆寺金堂壁画が上層部を除いて焼損してしまいました。劣化していた壁画や周囲の仏像などを取り外し、修復保存と模写を行っている最中に、原因不明の火災が発生してしまったのです(※)。
これをきっかけに、文化財の保護についての法律として、文化財保護法が議員立法という形で成立しました。施行は8月29日。それ以前に、1919年6月1日に施行された史蹟名勝天然紀念物保存法、1929年7月1日に施行された国宝保存法、1933年4月1日に施行された重要美術品等ノ保存ニ関スル法律は廃止され、統合されました。火災のあった1月26日は文化財防火デーになっています。
国宝保存法で、国宝に指定されていたものは、全て重要文化財とされた上で、あらためてその一部を「国宝」に指定しました(あくまで重要文化財の一部としての国宝)。そのため、戦前の国宝と、この法律以降の国宝には指定されたものに違いがあります。
なお、この法律で定められた重要文化財は保存のための規制が厳しいことから、あえて指定を避けるようにした結果、失われる建造物や美術品も多数に上ります。逆に重要文化財でも競売などは規制されていないため、競売にかけられた事例もあるなど、不備も見られます。
※火災の原因は、模写用に導入された当時新しかった「蛍光灯」用の電熱器説が有名ですが、放火説もあります。

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