1811年
ベルブリンガーの飛行実験

ドイツ・ヴュルテンベルク王国の仕立て屋で発明家のアルプレヒト・ルートヴィヒ・ベルブリンガーが、自ら発明した飛行装置の実験を王族らの見てるなかで実施。失敗に終わりました。
ベルブリンガーは機械設計が好きで、仕立て職人となってからも、仕事の傍らで発明を行い、関節の付いた可動式の義足を発明しています。
彼が設計したのはいわゆるハンググライダーで、1808年にオーストリアの発明家で時計職人のヤーコプ・デーゲンが制作したオーニソプター(羽ばたき式飛行機・気球で浮かび羽を操縦して飛行する)に触発されたものでした。
彼は職人組合から批判されながらも、鳥の翼などを研究して制作に没頭し、話を聞いたヴュルテンベルクの初代王フリードリヒ1世からも支援を受けられ、ついに飛行試験を披露することになります。
5月30日、国王や王子たちが見守る中、ドナウ川岸にある稜堡に作られた足場の上から飛行しようとしましたが、装置の不具合で飛行できませんでした。翌日再度挑戦しますが、この日も風に恵まれなかった上に、風待ちをしていたところを後ろから警官に突き飛ばされて川に転落、失敗に終わりました。彼は漁師に助けられますが評判は地に落ち、不遇と貧窮の後半生を送ることになりました。
彼が設計したものは、デーゲンの物に比べると機構は単純で、グライダー以上のものではありませんでしたが、山の斜面など条件さえ整えば、滑空飛行は可能だったと考えられています。しかし川岸からの飛行は無理なものでした。
一方で、この時代に急速に増えていった飛行研究の先駆者として、彼の名前は残りました。

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