1970年
アポロ13号事故

初めて月面着陸に成功したアポロ11号以降、世界の注目は徐々に薄れていくなか、13号は打ち上げられました。目標は月面のフラ・マウロクレーター。目的は地質調査。ところが発射されて軌道上に出て、月へ向かったアポロ13号で、地球から32万1860kmの地点に来た時、予想外のトラブルが発生します。酸素タンクの一つの攪拌機のスイッチを入れたところ、電線がショートして燃焼、爆発したのです。飛行士らは隕石か何かが衝突して爆発したと考えました。爆発でもう一つの酸素タンクも破損。酸素が漏洩し始めます。
司令船には酸素がありますが、それを使いきってしまうと、大気圏突入時に酸素が足りなくなる。そこで考えたのが、月面着陸を断念し、その代わりに乗組員を月着陸船に移動して、月をぐるっと周回し、地球へ戻ることにしました。その軌道に乗せるために噴射を行い、あとは我慢の飛行となりました。
司令船の燃料電池に対し、着陸船は水を生成しない酸化銀電池であったため、さらに極力消費を抑えるため、飛行士らは寒さに震え、水を飲まずに耐えました。着陸船の空気を浄化するため、手作りの濾過装置を作っています。
そのころ世界中に事故の報が伝わり、皮肉にも人々の大きな注目を浴びました。
かろうじて、地球まで戻ってきたアポロ13号でしたが、爆発による損傷があれば、大気圏突入で燃え尽きる可能性もありました。
3人の乗組員は機械船から司令船へ移り切り離しました。その時初めて、損害状況の大きさを知ったといいます。
大気圏突入後、燃え尽きることなく無事着水に成功した3人は、揚陸艦イオージマに救出され帰還しました。
彼らを救ったのは、月着陸船でした。これは逆に言えば、月着陸のミッション終了後に事故が起こっていた場合、避難先がなく、全員死亡していた可能性もあったわけです。月着陸こそ出来ませんでしたが、それ以上に貴重な経験を得られたと言えます。

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