2000年
400年に一度の日、そして2000年問題

グレゴリオ暦で西暦2000年。コンピュータの故障が起きるのではないか、と懸念されたのが、2000年問題。略してY2K問題ともいいます。
コンピュータは初期にはメモリが小さく、余分なものは削りに削って使うよう、プログラムが開発されました。それを発達させたものが、1990年代にも使われていていて、それでは西暦すら下二桁だけで処理するほどでした。しかし2000年になったら、当然下二桁は00年となり、1900年に戻って処理されるため、誤作動を起こすのではないか、というわけです。
もうひとつ、グレゴリオ暦の特性で、閏日を追加する閏年は、4年で割り切れる年で、100で割り切れる年は入れないが、400で割り切れる年は閏年とするというややこしい設定のため、この設定をしていないと日付がずれて誤作動すると考えられていました。
さらにこれが「問題」となったのは、プログラムの開発された時代には想像されなかった、社会のあらゆるシステムがコンピュータ化されていたということ。その影響が大きかったわけです。そのため、対策が追いつかないだろう、という意見もありました。
そして、2000年の1月1日の最初の日に続いて、もっとも警戒された日が、まさに400年に一度の日である2月29日。ほかにもいくつかの日が警戒されました。
しかし、実際には、大きなトラブルは殆どありませんでした。一部、郵便貯金のATMが停止する、交通機関の改札や、アメダスの誤作動、古いビデオデッキやワープロで一部メモリに問題が起こるといったことが生じましたが、社会的混乱はなかったわけです。
実のところ、この問題は事前から想定されており、プログラムの改正や、フェールセーフ機能の対策が採られていました。また核ミサイルが勝手に発射されるなどといった、どちらかといえば危機感を煽り立てて興奮する評論家の説も飛び交い、そもそもの「問題」が大げさだったり、リアリティがなかったりしているものも多々ありました。
また、大きな問題が起こらずに終わったあとになって、「なんでもなかったじゃないか、騒ぎすぎだ」などと声高に言う人も出ました。多くの専門家の努力が、問題を回避したということも評価すべきだと思います。

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